相続の手続きは相続人本人ができるの?

相続放棄 確定申告 遺産相続 遺言書

相続の手続きを専門家に依頼する方は多いですが、依頼をすれば、費用はもちろん発生します。費用面を考えると少しでも費用を抑えたいと考えることは自然なことです。では、相続人自身で手続きはできるのでしょうか。もちろん流れや手続きに関してしっかりと理解し、なおかつ期限までに実行できるなら手続きをご自身で行うことは可能です。

遺言書や相続人について

被相続人が亡くなる前に遺言書を作成し、専門家や銀行に預けている場合があります。相続が開始されたら、まずは遺言書があるかどうかを探してみましょう。また、相続人は戸籍謄本によって調査していきますが、遺産分割協議中や分割書作成中に相続人調査が不十分とわかると、それまで進めていた話が無効になります。そうならないように、被相続人の生まれた時までの戸籍を遡る必要があります。

財産調査について

財産に当たるものは現金や預貯金、不動産、有価証券、貴金属などがあります。被相続人が使っていた銀行や登記済権利書など家中を探す必要があります。家族が持っている全ての口座を知らない場合もありますので注意が必要です。また、相続では借金も相続の対象になりますのでしっかりと調べる必要があります。

相続の承認について

相続には、単純承認・限定承認・相続放棄があります。この承認に関しては、何も手続きをしなければ相続を認めることになるため単純承認となります。全ての相続を放棄したい場合は相続放棄といわれ、財産から借金を差し引いた額を相続するのが限定承認と言われています。相続放棄は一人からでもできますが、限定承認は相続人全ての人が行う必要があります。

準確定申告や相続税について

これは通常の確定申告と変わりはないのですが、4か月以内に行わなければなりません。さらに相続人全員の署名が必要となりますので注意が必要です。また、相続税は該当する人としない人がいます。該当する場合は申告書に記入していくのですが、軽減の特例を受けられる可能性もあるのでしっかりと確認しましょう。

遺産相続協議書について

遺産分割協議書には決まった形式はないと言われています。ただ記入漏れや間違いがあった場合には、無効になる可能性もありますので注意が必要です。形式などの見本として司法書士などのホームページに載っている場合もありますので、参考にされてもいいでしょう。

遺留分滅殺請求について

遺言書が認められた場合には、一部の相続人が法定相続分より多く受け取り、他の相続人は法定相続分より少なく受け取るケースもあります。ですが、民法で遺言に左右されない相続財産の最低限度の取り分が定められています。ただし、これに関しては法定相続分を下回っている相続人が請求しなければならないとされています。

最後に

こうして相続に関わることをみてみると、相続は被相続人の財産と相続人の人数などで手続きが比較的簡単に済むものもあれば、裁判に発展してしまいそうなものまで様々です。費用を支払い専門家に依頼するのか、時間をかけながら相続人自身でするかは人それぞれです。できる範囲は自分で行いながら、難しいところは専門家に依頼する。トラブルを避けるためにも専門家は必要なのかもしれません。