葬儀の流れはご逝去から火葬・法要までどのように進みますか?

ご逝去から安置、通夜、告別式、火葬、法要に至るまでの一般的な葬儀の流れをイラストで分かりやすくまとめた画像。

ご逝去後は安置・通夜・告別式・火葬の順に進み、日程は葬儀形式や火葬場の空き状況によって異なります。

万一の事態が発生した際は、死亡確認から安置、葬儀の打ち合わせ、お通夜、葬儀・告別式、火葬までが数日間の流れで進行します。2026年時点の税法では、葬儀費用のうち一定のものは相続税の計算上、遺産総額から控除できるため、領収書や支払記録を正しく保管することが大切です。

葬儀全体の一般的なスケジュールと日数の目安

葬儀は、ご逝去後の搬送・安置、通夜、葬儀・告別式、火葬の順に進むのが一般的です。以下は3日間で行う場合の一例であり、日程は地域や葬儀形式、火葬場の予約状況によって異なります。

日数・区分主な内容と手順担当者と確認事項
1日目(ご逝去・ご安置)看取り、死亡診断書の受取、ご遺体搬送・安置、葬儀打ち合わせ医師、葬儀社、遺族
2日目(お通夜)湯かん・納棺、式場設営、通夜式、焼香、通夜振る舞い僧侶、葬儀社、参列者
3日目(葬儀・告別式)葬儀・告別式、弔辞・弔電、最後のお別れ、出棺司会者、遺族、参列者
3日目(火葬・初七日)納めの式、火葬、収骨、必要に応じて還骨法要・繰り上げ初七日・精進落とし火葬場係員、僧侶、親族
葬儀後(手続き・供養)各種行政手続き、葬儀費用精算、四十九日法要、名義変更・相続役所、税理士、親族

全体の流れを把握しておくことで、急な事態でも落ち着いて対応を進められます。

ステップ1:ご逝去からご安置までの段取り

逝去直後は気持ちが動揺しやすい時期ですが、限られた時間で適切な対応が求められます。

死亡診断書の受取とご遺体の搬送

病院で臨終を迎えたときは、医師から死亡診断書を受け取ります。死亡診断書は火葬許可証の発行や各種手続きに必要な書類です。今後の手続きに備えて、事前に10枚ほどコピーを取っておくと安心です。

💡 プロが教える!実務のワンポイント

墓地、埋葬等に関する法律第3条により、原則として死亡後24時間を経過しなければ火葬できません。病院の霊安室は長時間の安置が困難なため、速やかに移動先の決定が必要です。ご自宅での安置が難しい場合は、専用安置施設を備えた葬儀社に搬送を依頼すると手続が円滑に進みます。

安置場所の選定と枕飾りの準備

ご遺体を自宅へ搬送した場合は、部屋に布団を敷いて西枕か北枕でご安置します。線香やローソクを供える枕飾りを設置し、部屋の冷房を入れて保冷処置を行います。葬儀社の施設へ安置するときは、面会可能な時間やルールを確認しておきましょう。

ステップ2:葬儀社・寺院との打ち合わせと事前準備

安置が完了したら、速やかに葬儀の具体的な内容や日程の調整に入ります。

喪主の決定と葬儀プランの確定

遺族の代表として葬儀を取り仕切る喪主を決めます。故人の配偶者や長男、長女が務めることが一般的です。喪主を中心に、家族葬や一般葬といった葬儀の形式、参列者の範囲、全体の予算について葬儀社の担当者と打ち合わせます。

菩提寺への連絡と死亡届の提出

生前にお世話になっている菩提寺へ連絡を入れ、枕経や葬儀の日程を相談します。戸籍法第86条により、国内で亡くなった場合は死亡を知った日から7日以内に死亡届を提出する必要があります。死亡届と火葬許可申請書を役所へ提出し、火葬許可証を受け取ります。

💡 プロが教える!実務のワンポイント

死亡届は遺族などの届出人が署名し、葬儀社が使者として役所へ持参することがあります。届書への押印は任意であり、印鑑を預ける必要は原則ありません。夜間・休日の受付や火葬許可証の交付方法は自治体に確認しましょう。お付き合いのある菩提寺がない場合は、希望する宗派の僧侶の手配について葬儀社に相談できます。

ステップ3:お通夜の流れと遺族の動き

お通夜は故人との最後の夜を過ごし、哀悼の意を表す重要な儀式です。

納棺・湯かんの儀と会場への移動

通夜の前に、故人のご遺体を清めて衣装を整える湯かんの儀を行います。綺麗に身支度を整えた後、遺族の手で故人を棺に納める納棺を執り行います。故人が生前に愛用していた品物も、火葬場の規則で認められる範囲で一緒に納めることがあります。

通夜式・読経・焼香と通夜振る舞い

夕方の18時頃から通夜式が始まります。僧侶による読経が行われ、喪主、遺族、一般参列者の順番で焼香を進めます。式が終わった後は、参列者へ感謝を伝え故人を偲ぶ食事の席である通夜振る舞いを案内します。

💡 プロが教える!実務のワンポイント

副葬品の制限は火葬場によって異なります。金属やガラス、プラスチック類だけでなく、大量の書籍や衣類なども制限される場合があるため、事前に葬儀社や火葬場へ確認しましょう。通夜振る舞いへの参加方法は地域や葬儀形式によって異なるため、遺族の案内に従いましょう。

ステップ4:葬儀・告別式の流れと送りの作法

葬儀と告別式は、故人に最後の別れを告げて社会的な区切りをつける場です。

告別式・弔辞弔電・最後のお別れ

お通夜の翌日に葬儀と告別式を執り行います。僧侶の読経や弔辞の朗読、弔電の拝読を行い、参列者が順番に焼香します。式の終盤には棺の蓋を開け、生花を棺の中に敷き詰めて故人との最後のお別れをします。

出棺と火葬場への移動

棺の蓋を閉めた後、親族や葬儀社のスタッフなどが棺を霊柩車へ運び出します。喪主が参列者へ生前の厚誼に対するお礼の挨拶を述べます。挨拶の終了後、遺族や近親者は用意された車両に乗り込み、火葬場へ移動します。

ステップ5:火葬・骨上げと初七日法要・精進落とし

火葬場での儀式を終えた後、地域や宗派、葬儀形式に応じて初七日法要や会食を行う場合があります。

火葬場での納めの式と収骨

火葬場に到着したら火葬許可証を係員へ提出します。炉の前で僧侶が読経を行い、遺族が焼香する納めの式を執り行います。火葬には約1時間から2時間かかります。火葬終了後は、地域の慣習や火葬場の案内に従って遺骨を骨壺に収める収骨を行います。

還骨法要・繰り上げ初七日と精進落とし

火葬場から斎場へ戻り、遺骨を迎える還骨法要を行う場合があります。近年では遠方の参列者に配慮し、繰り上げ初七日法要を同日に執り行うこともあります。法要後は、僧侶や参列者を労う精進落としの会食を開くことがあります。

💡 プロが教える!実務のワンポイント

火葬後は、火葬済みであることが記載・証明された火葬許可証などが返却されます。この書類は納骨時に必要となるため、大切に保管しましょう。骨壺の箱に同封されることもあります。

ステップ6:葬儀後に必要な各種手続きと注意点

葬儀が無事に終了した後も、期限のある公的手続や税金関連の対応が残っています。

埋葬料・葬祭費の申請

健康保険の被保険者が亡くなった場合は、健康保険法第100条等に基づき、原則5万円の埋葬料などが支給されます。一方、国民健康保険の葬祭費は国民健康保険法第58条に基づき、支給額は自治体によって異なります。申請期限は原則2年ですが、国民健康保険の葬祭費は葬儀を行った日の翌日、健康保険の埋葬料は死亡日の翌日、埋葬費は埋葬を行った日の翌日がそれぞれ時効の起算日となります(国民健康保険法第110条、健康保険法第193条)。

葬儀費用の確認と税金上の取扱い

相続税法第13条に基づき、一定の相続人等が負担した通夜・葬儀・火葬・読経料などの費用は、相続税の計算上、遺産総額から控除できます。なお、控除対象となる葬式費用の具体的な範囲については、国税庁タックスアンサーNo.4129で解説されています。ただし、初七日や四十九日などの法要費用、香典返し、墓石や墓地の購入費用は控除対象外です。領収書や支払記録を大切に保管しておきましょう。

葬儀の流れに関するFAQ

Q1:親が亡くなった当日はまず何を行えばよいですか?

医師から死亡診断書を受け取り、葬儀社へ連絡してご遺体の搬送を手配します。搬送先を自宅か葬儀社の安置施設にするか決めておくとスムーズです。

Q2:通夜と告別式は両方とも参列する必要がありますか?

どちらか片方のみの参列でも問題ありません。かつては告別式が中心でしたが、現代では夕方から始まる通夜に参列する方が増えています。

Q3:お付き合いのある菩提寺がない場合はどうすればよいですか?

葬儀社に相談してご希望の宗派の僧侶を紹介してもらうことが可能です。または宗教色を排した無宗教葬を行う選択肢もあります。

Q4:葬儀にかかった費用は相続税の計算で引けますか?

一定の相続人等が負担した通夜・葬儀・火葬などの費用は、相続税の計算上、遺産総額から控除できます。ただし、香典返しや初七日・四十九日などの法要費用は原則として控除対象外です。

相続の不安は税理士へ相談を

葬儀が終わった後は名義変更や相続税の申告など複雑な手続が始まります。ご自身だけで判断すると計算ミスや特例の適用漏れが生じる恐れがあります。手続の負担を減らすためにも相続に詳しい税理士へお早めにご相談ください。

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柏原 朋恵

監修者:税理士 柏原

商社での経理実務を経て、会計業界へ転身。税理士法人にて約20年にわたり、中小企業の決算・税務申告から、上場企業の連結納税、SPC業務まで幅広く従事。みつきコンサルティングではオーナー企業の事業承継や相続税・贈与税のアドバイスも提供。本記事では、長年の実務経験に基づき、内容の正確性と専門性を担保するため、専門家の視点から監修を行っている。(税理士登録番号:126165)