相続の教科書

貸している土地・借りている土地の評価方法

相続財産に不動産が入っている方は多いのではないでしょうか。しかし、物件を持ってはいるが土地だけ借りている、もしくは土地は持っているがその土地を他人に貸して他人が建物を建てている、という方も中にはいるのではないでしょうか。こういったときに、借りている土地、貸している土地がどのように評価されるのかをご説明したいと思います。

土地を借りて建物を建てている場合の評価方法

建物を建てる際に土地を借りていることを「借地権」といい、この借地権も相続財産の評価に入ります。しかし、自分で保有している土地を自ら使っている場合(自用地)よりも評価は低いです。
評価方法は、土地を自らの所有物として考え、その土地評価額から地域によって決められた割合(借地権割合)をかけて計算します。ですので、自分が借りている土地の地域が出している割合を調べる必要があります。一般的に、土地の評価が高ければ高いほど、割合が上がっていきます。

土地を貸している場合の評価方法

自分の土地に借地権がついている場合は、自分の土地であっても自由に処分できません。
評価の方法は自用地としての評価額から、借地権の価額を引いて計算します。また、親の土地に子が家を建て住んでいる場合もあると思います。こういった場合は、子は親に土地代を支払っていないことが多いのですが、支払いがない場合を一般的に使用賃貸といいます。使用賃貸とみなされた場合は税務上で借地権がないものと扱われ、自用地として扱われます。

自分の土地でマンションや一軒家を建て誰かに貸している場合の評価方法

このような場合の土地のことを「貸家建付地」といいます。借家人からすれば建物を借りているのですが、その土地も間接的に借りており使う権利があります。ですので、こういった場合の評価方法は、自用地の評価額から権利に相当するだけの価額を差し引いたものとなります。

定期借地権の評価の方法

定期借地権とは、土地を貸す条件として期間の定めがあり、その期間を過ぎると土地を返却しなければならない権利です。
定期借地権にもいくつか種類があり、一番知られているのが一般定期借地権です。一般定期借地権の存続期間は50年以上と決まっています。定期借地権で借りている土地は、借地権で借りている土地よりも評価が低いのが特徴です。借地権で借りた場合、評価が低くなることもありますが、その時は借地権の評価を相続財産として使うことが出来ます。

一般定期借地権の場合はさらに評価を低くすることができる?

平成10年に新しい評価方法ができ、地域によって底地割合というものが設定されました。
設定された底地割合を自用地評価額からかけた額が土地の評価額になります。しかし、底地割合は変動します。最初の底地割合から、年数が経つにつれて割合が上がっていきます。 例えば50年の定期借地権で、1億の自用地評価額の土地を借りている場合、最初は50%の底地割合だったものが、時間が経つにつれて60%、70%と上がっていき、1億円に近づいていくようになっています。
このように新しくできた評価方法も活用することが出来ます。

貸している土地・借りている土地の相続は「評価方法」で決まります

今回は借りている土地・貸している土地についての評価方法について書いていきました。
相続財産が少ないほど相続税はかからないので、できれば評価が低い方が良いと思います。
また、計算などは地域によって変わってきたりもするので、調べる必要があります。専門家に相談し、より知識を深めるのも良いかと思います。
モバイルバージョンを終了