相続の教科書

1人暮らしで実家を相続した場合

1人暮らしをしているときに両親が亡くなり、相続が発生するケースもあります。実家に戻れるならいいのですが、仕事をしている場合は安易に実家へ戻ることができません。そんな時はどうすればいいでしょうか。
今回は、福山さんの実例を入れて説明したいと思います。

福山さんのケース

福山さんは母親が既に亡くなっており、現在は父親と二人でした。福山さんは上京をし、父親は持ち家があったため、離れて暮らしていました。
そんなとき、その父親も亡くなってしまい、調べた結果相続人は福山さん一人だけで、福山さんが相続する財産は現金、実家、ゴルフ会員権でした。

ゴルフ会員権は仲介業者を通しなんとか売却することができましたが、問題は実家でした。
福山さんは実家に戻るつもりはありません。固定資産税が掛かるならいっそ賃貸物件に建て替えをしたほうがいいかと思いましたが、実家近くの物件を持っていた友人に相談するとリスクが高いと言われたため、どうすればいいのかわからず今回相談に来られました。

実家の住居の状態を確認

福山さんがいつ帰ってきてもいいように、実家はよく手入れされていました。周りの環境も良かったので売却に適していると判断し、売却を案内しました。住まないまま所持をしていると固定資産税を払うだけとなり、時間が経てば経つほど売却もしづらくなります。
そして、ただ売却するだけではあまり意味がありませんで、その売却した資金で賃貸物件の購入も案内しました。

賃貸物件に関して

賃貸物件を所有する事でも固定資産税は掛かりますが、家賃収入から支払うことが可能になります。立地や周りの環境のいい場所を探したところ、同じような条件で2棟見つかったのでご案内しました。資金には余裕があるため2棟の購入はできそうでしたが、福山さん自身が1棟でも良いという考えだったので、かなり悩んでいる様子でした。しかし、1棟にすると空室のリスクがあることを説明したところ、2棟買うことを決心されました。
その結果、空室は少しありますが2棟とも順調との事で家賃収入もあり生活が安定し、恋人との結婚も決まったようです。

最後に

自身が育った住宅を手放すのは勇気のいる事です。しかし、仕事の関係から実家に住めない可能性もあります。ただ持っているだけでは税金が掛かりますので、条件がよければ手放すのも一つの手ではあります。売却してできた資金を貯金するもいいですし、賃貸物件の購入の資金にするのもいいと思います。賃貸物件を購入する事で節税対策にもなります。
節税対策に興味があるなら、一度専門家に相談することをお勧め致します。

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