相続の教科書

相続で保険金が多い時の節税方法は?

相続財産には色々な種類があります。実家や土地、賃貸物件、ゴルフ会員権や美術品など人によって様々です。土地や建物などは相続税の減額の特例が適用できる可能性がありますが、現金となるとそのままでは減額の特例を適用するのは難しくなる可能性が高いです。
では、相続財産として現金が多い場合はどうすればいいでしょうか。今回はこの事について実例を入れて説明します。

森田さんのケース

森田さん夫妻は共に30代で、長女と長男の子供2人がおり、ご主人もまだまだ働き盛りでした。奥さんは専業主婦として家事や子育てをしていました。ある日、ご主人が心筋梗塞で倒れてしまいそのまま息を引き取ったそうです。相続財産としては住宅、預金、死亡保険金、退職金でしたが、相続税が掛かりそうということで相談に来られました。

親族の援助は望めそうにない

子供はまだ小さいため、森田さんが働きに出ることは難しそうです。しかし、森田さん夫妻の親族は他界している、もしくは遠方に住んでいるため、経済的な援助や子供を預けるという事も相談できそうにありません。

収入源の確保のために…

相続した貯金などから当分は生活していけそうでしたが、今後の事を考えると収入は少しでも欲しいとの事だったので、空室管理など必要となりますが収益不動産の購入を案内しました。収益不動産のオーナーとなることで入居者からの家賃収入を得ることができるので、無理をしてすぐ働く必要が無くなります。固定資産税はかかりますが、家賃収入から払う事が可能となります。購入することにより建物評価を低くする事もできるため、相続税の節税にもなります。1棟だけでは今後子供達が相続する際に揉める可能性もあるとして、2棟の購入を案内し、今後の相続対策もする形にしました。
購入する場所に関しては、それぞれに差が出るとリスクを背負うことになるので、2物件とも立地や周りの環境のよいものを購入されました。これにより、現在は2棟とも満室で安定して家賃収入があり、生活も安定しているようです。

最後に

現金や預金は、遺産相続の中でも相続税の減額を適用するのが難しい部類になります。しかし、収益不動産を購入する事は相続税の減額の特例を受けられる可能性がありますので、節税対策として使われることが多いです。
森田さんの場合は子供2人のために2棟の購入をしているため、奥さんが亡くなったあとの相続で揉めるリスクも減らしています。専門家はお客様の状況に合わせて対応してくれますので、もし何か気になる点があれば相談してみることもひとつの手段です。

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